猫エイズとは、わかりやすく説明すると、猫エイズウイルスに感染することで猫の免疫系が徐々に破壊されていき、猫の免疫力が極端に低下してしまう病気です。
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猫エイズとは？
猫免疫不全ウイルス(FIV)が原因で引き起こされる感染症を、猫エイズと言います。
原因である猫免疫不全ウイルス(FIV)自体は、決して強いウイルスではありません。
健康な猫であればウイルスの活動を免疫で抑え込むことが多いと言われています。
しかし、他の病気で免疫が落ちてしまうと、それをきっかけに発症することが多く、一度発症してしまうと、もう免疫で押さえ込むことはできません。
体外から細菌やウイルスなどの異物が侵入したとき、体を異物から守る働きをしているのは、白血球などの免疫細胞です。
猫免疫不全ウイルス(FIV)は、こういった免疫細胞を製造している骨髄などに感染し、細胞を破壊するため、発症してしまうと新たな免疫細胞を作ることができなくなり、体の免疫機能がどんどん低下していきます。
そして最終的にはウイルスや細菌、がん細胞などに体が負けて、死に至ります。
猫エイズの進行
猫免疫不全ウイルス(FIV)に感染した場合、３つの段階を経ながら、症状は進行していきます。
急性期の症状（感染から１ヶ月目〜２、３ヶ月）
猫免疫不全ウイルス(FIV)に感染すると、まずは軽い下痢や風邪のような症状を示すことが多く、時間が経つとこの症状は治まっていきます。
無症候キャリア期の症状(感染から4〜10年)
急性期を過ぎると、猫免疫不全ウイルス(FIV)は体内のリンパ球と呼ばれる免疫細胞内に隠れます。
目立った症状が何も出ない時期が４〜１０年ほど続きます。
この時期を「無症候キャリア期」と呼びます。
何も症状は出ないので、検査をしない限り、猫エイズに感染していることに飼い主さんは気づきません。
怖いのは、この時期も猫エイズウイルスは徐々に体内の免疫細胞を破壊しているということです。
エイズ発症期→免疫不全期の症状
無症候キャリア期を過ぎると猫の免疫力は極端に低下し、弱い病原菌やウイルスにも猫の体が負けてしまい、色々な感染症にかかってしまいます。
また、猫免疫不全ウイルス(FIV)により免疫力が低下して感染した病気は、薬で治せない場合がほとんどです。
こうして最終的に病魔に侵され、やせ細り、猫は体力が尽きて亡くなってしまうのです。
猫エイズは根本的な治療法が見つかっていない病気ではありますが、無症状のまま(元気なまま)一生を終える猫ちゃんもいます。
猫エイズに感染する原因
猫免疫不全ウイルス(FIV)自体はとても弱いウイルスなので、空気感染などの心配はありません。
基本的には血液や唾液などを介して感染します。
猫エイズウイルスは、感染している「猫の唾液」に多く含まれるため、猫エイズウイルスを持つ感染猫と喧嘩して、咬まれてしまうと感染してしまいます。
また、喧嘩の他にも、猫エイズに感染している猫との交尾や猫エイズに感染している母猫から産まれることで、感染する可能性があります。
猫エイズの感染原因のほとんどが猫同士の喧嘩によるものなので、他の猫との触れ合う機会がある外飼いの猫は、室内飼いの猫に比べて感染危険率は20倍高く、またオス猫のほうが喧嘩をすることが多く感染しやすいために、メス猫に比べて感染率が2倍以上多いというデータもあります。
猫エイズの検査法
猫エイズの検査は、猫から少量の血液を採取して、専用の検査キットを使って行います。
愛猫が外に良く遊びにいく場合（半外飼育）や、野良猫出身である場合は、猫エイズに感染している可能性がありますので、動物病院で一度検査することをお勧めします。
猫エイズの予防法
猫エイズの1番効果的な予防法は「生まれてからずっと完全室内飼育にすること」です。
外に出る猫の場合（外飼い、半外飼い）は猫エイズワクチンを事前に接種することも、猫エイズの予防には一定の効果があり感染する可能性を下げることはできますが、猫エイズの感染を100％予防できるわけではありません。
大前提として、猫エイズウイルスを根絶する特効薬は、残念ながらまだ開発されていません。
ですが、猫自身の免疫力を高め免疫力を維持することで、猫エイズウイルスの活性化を抑止し、これにより猫エイズの発症を遅らせることが出来ます。
つまり、猫自身の免疫力を高めて維持することが、猫エイズの最も効果的な治療法なのです。
猫の免疫力を高める
猫エイズに感染している場合、猫の免疫力を高める効果のあるアガリクスによって、免疫力の低下を防ぐことが出来ます。
アガリクスの中でも、特に「キングアガリクス」は、動物の免疫力を高める効果が非常に高く、近年はヒト医療だけでなく動物医療業界でも注目されています。
実際に、猫エイズで闘病する猫に対して、免疫力の補助のためにキングアガリクスを処方している動物病院も最近は増えてきています。
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猫ヘルペスウイルス（猫ウイルス性鼻気管炎）の予防
これは猫風邪の原因となるウイルスの一つ「猫ヘルペスウイルス（猫ウイルス性鼻気管炎）」に感染すると発症が早まると言われています。
猫ヘルペスウイルスは混合ワクチンの接種で予防ができます。そのため、混合ワクチン接種を毎年欠かさず行い、ヘルペスウイルスの感染を予防することが猫エイズの発症を遅らせることに繋がります。
室内飼育に切り替える
外で野良猫と接触することは、猫エイズ以外の他の病気にも感染するリスクがあります。
他の病気に感染して猫の体力が奪われたり、免疫力が低下してしまうと、猫エイズウイルスの活性化してしまい、猫エイズの発症が早まります。
たとえ猫エイズに既に感染している場合であっても、室内飼育に切り替えることが猫エイズの発症を遅らせることには重要です。
ストレスフリーの環境
猫はストレスに非常に弱い動物なので、ストレスを感じてしまうと免疫力が低下し猫エイズの発症が早まります。
日頃から愛猫の受けるストレスを出来るだけ減らすことも、猫エイズの発症を遅らせるためには重要です。
猫エイズは人間にうつるのか？
FIVはヒト免疫不全ウイルス(HIV)と同じ仲間のウイルスですが、人にはうつることはありません。
猫エイズの猫に噛まれたからといって、人間がエイズを発症することはないのです。
猫エイズウイルスは猫にしか感染しませんので、人を始め、犬やその他動物に感染することもありません。
最後に
猫エイズに感染したからすぐに亡くなってしまうという訳ではありません。
とにかく大事なことは、猫の免疫力を維持し猫エイズの発症を抑えることです。
たとえ愛猫が猫エイズに感染していても、悲観的にならず、飼い主が出来ることをしてあげることで、寿命を全うさせることが可能になります。
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